22 April 2019

HVE認証基準最高のレベル3を取得したパートナー生産者88軒を表彰

フランスのプレミアムコニャック・メーカー「メゾン・レミーマルタン」は、フランス国家が制定する「高環境価値認証農業」を推進、新たに認証を得たパートナー生産者88軒を表彰する式典を2019年4月4日に開催しました。2022年までにパートナー生産者(2019年時点で800軒超)の50%以上が当認証の最高レベルを獲得するという目標を掲げて行動していることを発表いたします。

■レミーマルタンの環境への取り組み
「レミーマルタン」は1724年創業の“フィーヌ・シャンパーニュ・コニャック(※1) “造りに特化した、フランスのコニャックメゾンです。コニャックとは、フランス コニャック地方の葡萄を用いたブランデーを指し、世界中の他のどの地域でも造ることはできません。このかけがえのないテロワール(土地や環境風土)を守り次世代へ繋ぎながらも、より品質の高い葡萄栽培を目指すために、フランス国家が制定する高環境価値認証(仏語Haute Valeur Environnementale、以下 HVE)への取り組みにいち早く着手しました。
HVEとは、フランス政府の基準を満たした環境保全を推進する農家、企業に対する認定であり、4つの柱(生物多様性、戦略と実践、土地の肥沃化、灌漑)を中心に、継続的な環境改善プロセスを持つことを基準としています。 評価は3段階に分かれており、レミーマルタンは2012年に最高レベルの「HVEレベル3」を取得したフランス国内6番目の企業となりました。
(※1 コニャック地方の葡萄畑の上位2地区であるグランド・シャンパーニュとプティット・シャンパーニュ産の葡萄だけを使用し、かつグランド・シャンパーニュ産を50%以上使用しているもののみに認められた称号)

 

クリスチャン・ラファージュ

メゾン・レミーマルタンは1966年、高品質のコニャックを造り続けるために、ワイングローワー(葡萄栽培農家兼ワイン醸造家)との組合「アライアンス・フィーヌ・シャンパーニュ(以下AFC)」を創設。50年を超えた現在は約800軒以上もの生産者と常に交流し、よりよいオー・ド・ヴィー(原酒)造りに邁進しています。
参考:https://www.remymartin.com/jp/news/jp_afc/
レミーマルタンはこのAFC生産者へHVE認証取得を呼びかけ、創設50周年の2016年から、本格的に取得のためのトレーニングを開始しました。
メゾン・レミーマルタンを有するレミーコアントローグループCSR担当役員 クリスチャン・ラファージュ(写真右)は「私たちはかなり早い段階から、HVE認証を重視してきました。この認証を通じて業界を高い水準に導きたいと考えています。ワイン生産工程を改善し、環境に与える影響を最小限に抑え、生物多様性保全を推進するとともに、責任ある生産工程でお客様の期待にも応えたいと考えています」と語っています。

 

 

 

■「ケンタウロス環境賞」
トレーニングや情報提供の結果、2019年には800軒超のパートナーのうち75%がレベル1を取得し、AFCが所有する全農地面積の94%において高環境価値農業を実施(表1)、またレベル3を約2割の生産者が取得し、全農地面積の42%において、フランス国家が定める最高基準の持続可能な葡萄栽培を実施しているという成果(表2)を達成しました。

表1:HVE1を取得した生産者数の推移

表2:HVE 3を取得した生産者数の推移

これを記念して、昨年に引き続き、レベル3を取得したパートナー生産者88軒を表彰する「ケンタウロス環境賞(Centaures de l’Environnement )」を授与する式典を2019年4月4日(木・現地時間)に執り行いました(表題写真:受賞した88軒の生産者)。

 

この式典で贈呈されたトロフィー(写真)は、メゾンのシンボルでもあるケンタウロスをかたどっており「伝統と革新」「常に先駆者であれ」というキーメッセージを体現しています。

フィリップ・ファルニエ

「この盛り上がりは非常に喜ばしいものです。2020年までに全生産者の100%がレベル1取得、2022年までに50%以上がレベル3を取得するという目標達成に向けて、私たちは飛躍的に前進しています」とメゾン・レミーマルタンCEOフィリップ・ファルニエ(写真右)は説明します。
さらに「私たち自身ワイングローワーであり、この大地とここに生きる人々と密接にかかわる仕事をしています。AFCを創設したのは、テロワールとコニャックの人々にとって最善の方法であるから。パートナーたちを導く先駆者であること、そしてコニャック地方と業界の原動力となることも私たちのコミットメントです」と語っています。

 

 

 

 

 

また、AFC理事長であるクリストフ・フォルジェ氏(写真中央)は「ますます多くの生産者がHVE認証を取得するため、研修プログラムに参加しています。環境意識の高まりが加速していると言っていいでしょう。この取り組みの継続は、コニャック業界全体の発展につながっていると考えています」と語りました。
2019年1月、フランス農業省は国内のHVE認証取得済みのワイン生産者1,500軒以上のリストを作成しました。その結果、コニャック地方のHVE認証取得済みの生産者の 93%以上がメゾン・レミーマルタンとAFCのパートナーであることが分かり、フォルジェ氏の言葉を裏付ける結果となりました。

■オフィシャルコンテンツ公開
HVE認証取得をはじめとする、持続可能な葡萄栽培の取り組みを広く知っていただくことで、コニャックのテロワールの希少さ、生産者の想いをお伝えする一環になると考え、レミーマルタンオフィシャルサイト上の「環境」コンテンツのリニューアルを行いました。
https://www.remymartin.com/jp/our-environment/
当コンテンツは下記3つの柱から構成されています。
1)土壌
2)葡萄
3)人

それぞれのコンテンツでは、実際にその活動を推進する担当者や公的機関、協力団体からの説明、メッセージの動画も公開し、プロジェクトをより具体的にご紹介しています。

 1)土壌

レミーマルタンは、コニャック地方の6つの生産区域のうち、上位2地区「グランド・シャンパーニュ」「プティット・シャンパーニュ」の葡萄のみを使用しています。その地区の特性は、灰質の土壌であることです(シャンパーニュとは石灰質の土壌のこと)。
石灰質の土壌は葡萄の木が根を張りやすく、水はけや保水力に優れています。この地区の葡萄のみが、レミーマルタンの求める「長期熟成に耐えうる酒質」を備えた原酒を造ることができるのです。
綿密な地質調査を実施し、この土壌が持つ本来の力を深く知り、その特性を発揮させることを目指しています。

 

 

2)葡萄

◇抵抗性品種の開発
抵抗性葡萄品種とは、コニャック地方で毎年多発する葡萄の病気に抵抗力を持つ新品種です。遺伝子組み換えではなく自然交雑(挿し木など)により改良されており、殺虫剤や薬剤の使用をさらに減少させる目的も持っています。

 

 

 

◇新技術
ドローンを用いた葡萄の木の管理や、緑肥の研究と除草ロボットの開発、さらにNDVI(正規化植生指数)測定で植物の植生状態を計測分析するなど、最先端の技術を取り入れています。精密で的確な畑の管理によって、一層高品質な葡萄が収穫できるだけでなく、地球温暖化対策や病害への迅速な対応も可能になっています。

 

 

3)人

AFCの生産者とレミーマルタンとの関係は、単なる原材料の供給者と購入者ではなく、互いに支え合いながら、よりよいコニャック造りに向かって協力し合うパートナーであり、深い絆で結ばれています。
 ◇トレーニング
HVEの取得は、生産者自らが取り組まなければなりません。地元の農業会議所と協同でトレーニングコースを提供し、意識向上から実践のプランニングを含めた、具体的なコンサルティングを行っています。

 

 

 

◇生物多様性
休耕地に花を植えて養蜂を試みるなど、生物多様性にも着目し、葡萄栽培のみではなく、そこに生きる生物やその他の植物との良好な相関関係の構築することで、有益な共生関係を探求しています。

■長期計画としてのコミットメント
メゾン・レミーマルタンが取り組む高環境価値農業は、コニャック造りという目的に直結するのみでなく、コニャックというテロワール、その地に生きる人々と自然を大切にするという先駆的な試みです。葡萄の木の育成に数年、収穫から蒸留、コニャックとして十分に熟成するまでさらに十数年の年月を要するため、このプロジェクトは非常に長期的な計画と言えます。しかし今始めなければ、コニャックの未来は厳しいことは事実です。
CEOのガルニエは「私たちは大地の継承者であり、未来の守護神でもあります。大切な大地に根差し、未来を見据えて限りない挑戦を続けるのです」と語り、まもなく300年を迎えるメゾンの伝統を守りながら、常に時代の先駆者として革新を続けていくことを明言しています。

 

【レミーマルタンとは】
1724年、フランス コニャックにて創業。その後290年にわたり、自然の恵みである良質の葡萄の潜在的なアロマを表現しています。
原料となる葡萄の産地を上位2地区の畑であるグランド・シャンパーニュ、プティット・シャンパーニュのみと限定した、フィーヌ・シャンパーニュ・コニャックです。
ケンタウロスのロゴは、多彩な能力を発揮し活躍する姿を表しています。多彩な才能を表現する、新たな時代のリーダーに相応しいアイコンです。

 

 

 

 

レミーマルタン オフィシャルサイト
http://jp.remymartin.com/
レミーマルタン オフィシャルFacebookページ
https://www.facebook.com/RemyMartinJapan